レポート投稿!他の人もフィーダー線の実験をしてみた編
最後にはフィーダー線が活躍してる写真もあるよ!


     

ある日、当サイトに1通のメールが。

フィーダー線10M他を使った地デジ受信の実験をしてみたけど 画像とテキストをどこに送りつけたらいい?

なんと、フィーダー線を使った実験を行ったので、写真を送ってくれるとの事。
てな訳で、このコーナーが誕生したというわけです。
快く写真の掲載許諾をして下さったmechanic氏、ありがとうございます。

素敵な投稿をしていただいた方mechanic氏のサイト Mechanicの雑記


それでは実験の様子を見てみましょう。

実験環境
ロケーション
長野県某市
周囲に2階建ての木造アパート有り
アンテナ
ミニー 素子数:14
南西向き
フィーダー線
300Ω(長さ:10m)
200Ω(長さ:50cm)
地デジチューナー
MASPRO DT630
整合器
東芝 MT-73J
日本アンテナ NCM-73C
メーカー不明同一機種2つ
こちら、14エレのUHFアンテナですね。
今回の受信実験に使われるアンテナです。

輻射器が1本無いですが、屋根の上のやつもよくカラスに破壊されてますが普通に受信できてるし実験には支障はないかと。

足場鋼管のベースに取り付けられています。これはいいアイデアだと思う。
ぷよぷよにも見える こちら、伝説の200Ω平行フィーダー線です。写真は本サイト初登場です。
断面の見た目からメガネフィーダーとも呼ばれます。
知らない人も居るかも?
UHF用に用いられるなんてどっかの百科事典に書かれていますが、実際にはVHFでも使われていた気がする。

300Ωのフィーダー線とは違って耐久性に優れる物です。
古くなるとカチカチになり、それを無理に曲げると「ベキッ!」と音がして絶縁体が折れますw

しかし、耐久性はあるものの、次第にノイズに強い同軸ケーブルが安くなり一般化したので、相変わらず特性の弱点がそのままであるこのケーブルは、社会的にお役御免に。
今では300Ωフィーダー線を差し置いて絶滅危惧種となっています。
もはや伝説の世界に旅立ったので、最近市販されている整合器(変換器)には、200Ωに対応していないものが多い。
今回頂いた写真に含まれていなかったので、こちらで撮影したものですが、これが300Ωの平行フィーダー線です。
リボンフィーダーとも呼ばれています。
名前の通り、リボン状でペラペラした造りです。
見た目もペラペラですが耐久性もペラペラで、古くなるとポキっと折れたり、紫外線で樹脂部分がポロポロと取れて行ったりします。
古い家に行くと、樹脂部分が殆ど無くなって素線だけになったフィーダー線が軒先を這っているのをたまに見ます。

固定にはステップルではなく釘などを使い、真ん中の樹脂部分に打ちつけて造営材などに固定します。
丁寧な施工がされている場合は、頭が環状になったネジ金物(はてなフックみたいな形)を造営材に取付け、そこにフィーダー線を通して這わせる事もあります。というかこれが正規の工事方法ですが。
整合器とフィーダー線の接続状況。

適当に見えますが、シールドも何も無いので、これで十分です。
厳密には並行する線の間隔もきちんと定められていますが、適当なジョイントというのは実務的にはよく行われている事ですので、気にすることはない。
メガネフィーダーと整合器との接続状況。
チューナーなどとの接続状況。

チューナーは、マスプロのDT630です。
モニタには小型の液晶を利用していますね。

受信実験

各ケーブルの種類別で、ケーブルの状態を変更してレベルを測定しています。

ケーブル種 長さ 状態
平行フィーダー線(200Ω) 0.5m 伸ばした状態
平行フィーダー線(300Ω) 10m 巻いた状態・伸ばした状態
伸ばした状態(整合器から出ている線)
15cm

受信にはNHK総合(物理28ch)を利用。
参考として、同軸ケーブルでも受信テストを行います。

同軸ケーブルの場合
まず、参考として同軸ケーブルで受信実験。
バッチリ写っています。
受信レベルは70。
ここまでレベルがあると、受信には問題はないでしょう。
アンテナはほぼ地面の位置で、さらに周りに障害物があるのも関わらず、この数値を叩き出しています。
200Ω平行フィーダー線の場合
実験は屋外と室内で行われています。
こちら室内で行われたようです。
(室内環境での同軸部分(変換前)のアンテナレベル:80)

レベルは52。60を切ったら少しまずいかな。

※この実験では、200Ωの整合器が入手出来なかったようで(まず店では見ないし)、300Ωの整合器を利用しているとの事なので、それが原因の可能性もあります。
ただ、メーカーによっては300Ωと兼用が可能なものもあります。
受信。

一応、何かが写っている・・・
字幕だけはちゃんと見えます、なんじゃこりゃ。
視聴には耐えられないですね。
300Ω平行フィーダー線の場合(巻いたまま)
まずは巻いた状態。

シールドが無いので、巻いたままだと電界云々でまともには使えないと思われますが・・・
受信レベル18!
まったくもって論外です。
強電界区域なら、針金のほうがいい数字が出そう。
300Ω平行フィーダー線の場合(伸ばした状態)
今度は伸ばした状態で測定。

外で実験すると、いろいろやりやすいですね。
受信レベルは36。
あんまりというか、全然よくありません。
もちろん映るわけがない。
こちらは、当サイトとほぼ同じ環境での受信実験です。分波器の分岐部分をフィーダー線としています。

う〜ん映りが悪いなぁ。
どっかの国の首相が砕けてます。
動きの無い場所は部分的にちゃんと写っているのですが、動く部分は破綻しているので、視聴は無理そうです。
データ量の多い映像(激しく動く動画など)はまず無理ですね。

結果が違う件

うちでやった実験と結果が違います。この実験においては視聴は出来ないと結論されます。
うちの実験の場合、フィーダー線が20cm程度と短かったので、受信できたのかも・・・と思ったのですが、あれから2m弱のフィーダー線を入手し実験を行い、やはり受信を確認しています。
(レベルに若干の低下は確認)
しかも、この実験の最後のケースは、うちの実験と環境がほぼ同じです。
また、このサイトを参考にしたら受信できたという報告も多数頂いています(報告ありがとうございます)
う〜ん、なんで違うのかなー。地面に直接這わすとかが原因かな。静電容量がなんちゃらとか関係してるかもしれないが、苦手分野なので全く分からん。

こうやって考えると、どこでも気軽に這わせられる同軸は便利だのう。
実験でも分かる通り、フィーダー線は輪っこのままで使うと著しく減衰します(いちおう、同軸でも減衰はしますが)

まとめ

ケーブル種 長さ 状態 受信レベル 視聴
(参考)75Ω同軸 - - 70
平行フィーダー線(200Ω) 0.5m 伸ばした状態 52(変換前:80)
平行フィーダー線(300Ω) 10m 巻いた状態 18 ×
伸ばした状態 36 ×
15cm 58(変換前:80)
アンテナレベルは、チューナーのメーカー独自の単位(数字)である事に注意。
視聴欄の記号の意味:○…視聴良好 △…映像は出たが視聴は困難 ×…受信不可

結論

運だね!(割りとマジ)

結局は、ケーブル末端の電波の強さに依存する。ケーブルの種類は二の次!って事です。
ただフィーダー線の最大の弱点はノイズですので、使われている場所付近の状況により大きく影響され、仮にノイズが出まくる環境の場合は、残念な結果になる可能性があります。
つまり、現地の環境に大きく影響を受けると思われます。これが、今回の結果にも影響しているかもしれません。
アナログが綺麗に見られていた環境では、受信は可能な場合が高いと。
もし現在、あなたの付近に地デジ環境がある場合は、実際にテレビなどを持ち込んで受信可能かを確かめるのが確実と言えます。
プロに頼めば測定器で強度測定をしてくれますが、フィーダー線を見た瞬間に絶対にアンテナや線を変えろと言って来るはずなので、断れる人は頼んでみてもいいかもしれません。

う〜ん、うちでもまた実験やってみようかな。どっかからフィーダー線を探してくるか・・・

実験結果の提供、ありがとうございました。

数百円の損はキニシナイ!という場合は、
いっその事、整合器を購入して、もし映らなかったら改めてアンテナ交換を依頼するという方法もあります。
映ればアンテナ工事いらずで儲けもん!
YAGI 同軸・フィーダープラグF型⇔直付・300Ω クロ LP-737-B

マスプロ・AP73E-Pなど、一見使えそうな安価なアンテナプラグもありますが、
この商品は75Ω→300Ωの一方通行仕様(75Ωのアンテナ線で300Ωの機器を使う人向け商品)なのでメーカー的には使えないという事になります。
(もしかしたら使えるかもしれないけど)

切り貼りもおk!という人は、上記の物より安い整合器を用意して、整合器から出ているフィーダー線とアンテナからのフィーダー線を直繋ぎし、
整合器からテレビまでを同軸ケーブルで接続という手もあります。
この商品は、300Ωと75Ωのどちらからの変換も可能です。
マスプロ 整合器(75⇔300Ω) MAT10F-P
低価格で買える、電波強度チェッカーがあります。テレビを持っていない場合、これで測定できます。
この機器は75Ω専用なので、300Ωから変換してから使って下さい。
日本アンテナ 家庭用受信機器 BS/UHFチェッカー NL30S
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おまけ 21世紀のフィーダー線の生態

せっかく良いレポートを頂いたので、こっちも何かいい写真が無いかなとHDDを漁ったら、いいのが出てきた。
たぶん20年後には絶滅しているテレビ用フィーダー線、生きてるうちに写真でサンプルを取っておきましたよ。

皮が風化して、一部が(というか半分くらい)むき出しになっているフィーダー線。
これでもちゃんとテレビが映っているのが恐ろしい。(アナログだけど)
あまりにも衝撃的だったので激写。
2009年春、超田舎の民家にて。

地デジが映らないのにホワイトリストに載ってない辺境の地で測定の結果、アンテナの高さを稼げば電波を拾える可能性があると判明。
そこで、自腹(4世帯共同出資)にて自分の裏山にアンテナを上げ、そこから家までの間をケーブルで繋ぐ(100mくらい)という大工事?が行われました。
そんな中、その家にひっそり生息しているフィーダー線を発見。残念ながら地デジ化により交換となりました。
アナログなら、低い位置にある家の屋根上のアンテナでも映るんですがね。
リボンフィーダーでアンテナまで配線すると日光により速攻で劣化するので、屋外の野ざらしになる部分は、200Ωのメガネフィーダーを使用しています。
軒下に整合器があり、ここからアンテナ側は200Ωが使用されています。

写真の上の方にフックが写っています。
これは、現在使われている200Ωのケーブルが使われる以前にアンテナへ接続されていた300Ωの残骸です。
両端をぶった切って放置されています。
かつては全ての経路、つまりアンテナまで300Ωで配線されていたようですが、後に中間に整合器が取り付けられ、ここからアンテナ方面を現在のように200Ωに取り替えたようです。

あ〜標本として貰っておくべきだったなぁ。
こいつは現地に放置中です。また用がありそうなので狙っておこう。
おばあさまに頼めば貰えるだろう。

もう一つおまけ 死んでるけど昔のアンテナ事情を見る

もうちょっと掘り出してきましたよ。
こっちは使われているものではありませんが、ちょっとだけ昔の事情が分かるかも。

こちらは長崎にある元炭鉱島である端島(通称・軍艦島)です。

この島は1974年(昭和49年)で閉山した為、この時点で設備が止まっているので昔の事情が分かります。
昔の設備を知る上で大変貴重な場所です。タイムカプセルみたいなもんです。

ほぼ全てのアンテナは台風で吹き飛んでいるのですが、下に落ちてるのでチェックは出来ます。
見た所、やはりフィーダー線が多く見られますが、同軸ケーブルもそこそこ見られました。
左の写真のアンテナも、同軸ケーブルが使われています。

炭鉱であるので電動機が多く、各所から雑音が入りやすいと思われるので、同軸を使っていたのかもしれませんね。
また、ここは高層建築が多く、場所によっては1〜9階(30m近くにもなる)を配線するハメになる世帯もあるので、尚更同軸を求めていたのかもしれません。

40年前、日本の集合住宅ではではほとんど共聴設備は存在しないので、各戸が屋上にアンテナを上げ、そこから自分の家まで配線をしていました。
昔の集合住宅は、屋上にアンテナが林立しているのが当たり前でした。

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